huNOG mouse
(公財)実験動物中央研究所の免疫系ヒト化NOGマウス
NOGマウスはNOD/scidやヌードマウスなど他の免疫不全マウスと比べても
免疫不全度が高く、ヒト細胞の生着率が高いことが知られています。
NOGマウスにヒト造血幹細胞を移植すると、マウス体内で幹細胞が分化しヒトの免疫系が再構築されます。
ヒト免疫系を持つことで、癌、感染症、アレルギー症分野などで有用な病態モデルを作ることが可能です。
例えば以下のモデルの報告がございます。
- ヒト免疫系とヒトの癌を同時に持つことによる免疫チェックポイント阻害剤や癌ワクチン等の癌免疫治療モデル
- HIV, HTLV, EVB等ヒト免疫系に特異的なウィルスの感染症モデル
- 抗原、抗体、サイトカインの投与によるヒト免疫系を介したアレルギー症モデル
現在、受注生産を受け付けており、通常は受注後約12週間後に発送をしています。
また、担癌モデルをベースにした薬効試験を中心に受託試験も受け付けております(注1) 。
関連して、CAR-Tなどお客様が提供される細胞を移植して作製するモデルを使った受託試験も可能です。
(注1) 通常、癌細胞はお客様に準備していただいておりますが、購入可能な細胞の場合はこちらで購入することも可能です。
免疫系ヒト化NOGマウスの特徴
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NOGマウスにヒト臍帯血由来の造血幹細胞を移植します。幹細胞は主にヒトT細胞とヒトB細胞に分化、生着します。一部はNK細胞、マクロファージ、単球にも分化します(注2)。
- 特定のヒトサイトカインを発現する次世代ヒト化マウスではNK細胞、マクロファージ、単球、マスト細胞など、上記ヒト化NOGマウスとは異なる割合でのヒト免疫細胞の分化、活性が確認されています。
- ヒト化したマウスは移植後6ヶ月以上生存することが確認されています。ヒト免疫細胞の生着率も幹細胞移植後20週までほぼ変わらないことが確認されています。
- ヒト免疫細胞による移植片対宿主病(graft versus host disease; GVHD)は通常見られません。ヒト免疫細胞生着後に癌細胞を移植しても多くの場合、生着することが確認されています。
- 分化したヒトT細胞は薬物やサイトカインによる活性化および癌細胞等に対する細胞傷害活性が確認されています。
- 分化したヒトB細胞は抗原特異的なIgMを生産します(注3)。
- 米国、EU諸国ではTACONIC社がNOGマウスをベースに免疫系ヒト化NOGマウスを供給しております。弊社とTACONIC社で連携し、同等の基準で生産を行っております。
(注2) 通常発送する時点でのヒト免疫細胞は主にT細胞とB細胞で構成されています。マウス由来のマクロファージは存在します。
(注3) DNP-KLH, Ovalubumineを免疫した場合にこれらの抗原に特異的なIgMが生産された実績があります。
免疫系ヒト化NOGマウスの作製法
- 受注後6週齢のNOGマウスを入荷します。
- マウスにX線照射してマウス由来の骨髄細胞の一部を殺傷します。
- 翌日にヒト臍帯血由来造血幹細胞(CD34(+) HSC)を尾静脈から注入します。
- 幹細胞移植後11週後にフローサイトメトリーにより、ヒト白血球の生着率を測定します。通常は生着率25%以上のものを納品します。
- オプションとして幹細胞移植一週間で納品することも可能です。この場合の生着率の保証は致しかねます。
造血幹細胞移植ヒト化マウスにつきましてはヒト由来材料を含みます。
細胞情報シートを添付または事前提供いたしますので、こちらもご確認のうえ各機関のルールに従ってご使用ください。
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